先回の自律神経についての回で少し触れましたが、少しだけ深掘りしていこうと思います。
交感神経優位の状態
動物が外敵(内的なストレスも同様)に遭遇すると、自己防衛本能として交感神経が高まり、逃げるか闘うかの準備をすると書きました。
実際、動物の場合、実際に猛ダッシュで逃げるか、全力で命懸けで闘うかのどちらかを実際に行動として起こします。
そこでエネルギーを使い、筋肉組織に破壊が起こり、闘争、逃避行動が終了すると、破壊された組織を修復したり、消耗したエネルギーを充填する為に今度は副交感神経が優位に立つ状態に切り替わり恒常性が保たれるというシステムになっています。
ところが、現代社会において、人間がストレスに遭遇して、実際に命懸けで闘ったり、全力で逃げたりすることは皆無だと言って良いでしょう。
とすると、ストレスと遭遇して、自分の身体は闘争か逃避かと臨戦体制になっているのに実際には何も行動しないことになってしまいます。
例えるならば、あなたが100メートル走を走ることになったとします。スタート位置に立ち、「よし走るぞ」と緊張準備をしています。
ところがスターターはスタートピストルを鳴らす準備をしてるのに、いつまで経ってもスタートしない状態。
そこに、またストレスと遭遇してスタート位置に立ってまたスタートしないってことが繰り返されるっていう状況になっているわけです。
それは身体も脳もおかしくなりますよね。
つまり、闘う準備だけして、闘わないから、カロリーも消費しないし、筋肉の破損も運動もないから、結構も良くならないから回復力も上がらないという事が日常にたくさん起こってしまう。
自律神経のバランスの乱れから様々なことが
それに近いことがパニック障害だけでなく、他の精神疾患、糖尿病、がんを引き起こしている引き金になっているのではないかと考えます。
疾患に至らずとも、塞ぎ込んでみたり、情緒不安定になってみたり、時には便通が悪くなったり、頭痛が起こってみたり肩こりがしたり不眠だったりすることも、ある意味、闘争・逃避行動が出来ない環境下での現代病と言われることでしょう。
私の実例
私の過去を振り返ってみると、中学生までは部活でかなり身体を動かしていました。
17歳のパニック障害が起こった頃は、部活もサボりがちになり、運動という運動は全くしていませんでした。
そして一度克服してからパニック発作が起こらなかった8年間、私はスーパーの店員という、一日1万5千歩ほど歩く仕事を毎日やっていました。
それから29歳の時転職してからは、また身体を動かさない仕事に変わりました。すると少ししたらパニック障害が再発しました。
偶然かもしれませんが、あまりにも出来すぎているので、やはり関係は無いと否定は出来ないですね。
もちろんパニックのトリガーは運動より他のことなので、あくまで要素の一つであると考えます。
ただし、闘争・逃避行動はパニック障害克服には切っても切り離せない人間の本能の一つであるので、頭には入れておいてください。
身体を疲れさせることのすすめ
やったことはないのでわかりませんが、パニック発作が起こりそうな時に、全力疾走でそこから逃げ出すのに100メートルダッシュすれば発作は起きないのかもしれません笑。
ただ現実生活の上ではそんなことはできませんよね。
話が外れましたが、闘争・逃避の準備には交感神経を優位にする為に、脳から様々なアドレナリンやドーパミン等の神経伝達物質が一気に放出されると言います。
医学的なことは私の専門外ですから詳細な説明はできませんが、私の感覚ではその分泌された神経伝達物質が行き場をなくして困ってる状態に陥ってて、パニック障害をお持ちの方は運動も出来ない方も多いですが、何でも良いので身体を動かすことが少しでも闘争・逃避行動に近くなり、交感神経と副交感神経のバランスを元に戻すことができるのでお勧めしております。
そうです。パニック障害で脳は疲労しますが、同じように身体も疲労させることがとても大事でなのです。
では次回まで。
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